お久しぶりです、31等星です。
今回は、他人の研究発表・論文紹介・ゼミ発表などを聞いてもチンプンカンプンで理解できないよ〜と困っている大学院生の人に向けて、ある程度他人の発表を理解できるようになる話の聞き方を紹介します。
僕も修士2年生くらいまでは他人の研究発表をほとんど理解できず、かなり時間をムダにしてしまっていました…
しかし、あれこれ試行錯誤しているうちに徐々に人の話についていけるようになったので、今回はその方法を共有したいと思います。
以下では、
- 発表前
- 発表中
- 発表後
の3つに分けて、効率良く研究発表を聞く方法をお話しします。
それでは早速本題に入ります。
発表前
本記事では効率良く他人の発表を聞くの方法を3つに分けてお話ししますが、その中でも1番大事なのが、発表前に話を聞くための準備をしておくことだと思っています。
そもそも、他人の研究発表を理解できない原因は
- 背景知識がない
- 話の全体像が見えない
などであることがほとんどです。
なので、他人の発表を聞く前に準備をしてその原因を潰しておくと人の話を理解しやすくなります。(もちろん普段から勉強して基礎知識を増やしておくことは必須ですが。)
準備として具体的にやるべきことは、
- 発表前に予稿を読んでおく(論文紹介を聞く時には論文のabstractを読む・図にサッと目を通す)
- その中で知らない用語・概念などがあれば調べる
- 予稿の中で論理展開がわからないところをチェックしておく
などです。
この時点である程度背景知識がついた上に発表の全体像がなんとなく見えるので、話についていきやすくなっているでしょう。
事前に研究発表のタイトルしか知らされていない場合は準備のしようがないですが、関連しそうなトピックを軽く調べておくだけでも効果はあると思います。
他人の発表を聞くときはついつい受動的になりがちですが、他人の話を聞くときでもしっかりと準備をして能動的に他人の発表に臨みましょう。
ちなみに、勉強法に関する様々な本に「効率的な学習は能動的であるべき」と書いてあるので、能動的に他人の話を聞くようにすると効率的に学べるはずです。(研究をする学生がやっておいた方が良いことに関する記事でも紹介しています。)
発表中
研究発表では注意して聞くべきポイントがあるので、それを意識しながら話を聞くと理解しやすいです。
書くまでもないかもしれませんが、研究発表は「研究背景・手法・結果・考察・まとめ」の5つのパートに分かれています。
その中で聞くべきポイントは、テキトーに細かく分けても以下の8つくらいしかありません(と言うよりこれらが研究発表の全てである気もします)。
- どんな研究の背景があるか(背景1)
- その中のどんな問題を解くか(背景2)
- それをどうやって解いたか・どうやって研究を行ったか(手法1)
- なぜそれで解けるか(手法2)
- 研究を行ってどんな結果が得られたか(結果)
- なぜその結果になったか(考察1)
- そこから何が言えるか(考察2)
- なぜそう言えるか(考察3)
ほとんどの研究発表はこのような流れになっているので、この8つのポイントを逃さなければ研究発表は理解できるはずです。
この8つが多いと思う人は太字で書いた3つだけでも注意して聞くようにしましょう。
そうすれば、多少わからないことがあっても話の全体像を掴むことができるはずです。
わからなかった部分や聞き逃した部分は、質疑応答の時に聞きましょう。
話の全体像さえ押さえておけば、わからないところが多すぎて質問すらできないなんていうことにはならずに済みます。
発表後
発表後にやるべき、個人的に重要だと思うポイントを3つ以下にまとめました。
時々発表の内容を復習する
非常に当たり前な話ですが、勉強した知識を定着させるには復習が大事です。
発表を聞いた後には発表の内容を復習しましょう。
せっかく話を聞いても、それを忘れてしまってはもったいないですよね。
とはいえ毎回しっかり復習するのも手間なので、復習の際は上記の「発表中」の欄に書いた3つのポイント(どんな問題を、どうやって解いて、どんな結果が得られたか)だけでも見直すと良いです。
僕の場合は、毎週研究室で論文紹介のゼミがあるので、そのゼミの前に1週間前のゼミの内容を簡単に復習するようにしています。
より復習の効率を高めたいと思う人は、ピョートル・ウォズニアック(Piotr Wozniak)さんが提唱した理想的な間隔を守って復習すると良いようです。
その復習感覚は
- 1回目:1日後
- 2回目:7日後
- 3回目:16日後
- 4回目:35日後
- 5回目:62日後
という徐々に間隔を伸ばしていくものですが、この間隔を守って復習するのはだいぶ面倒なので僕はやっていません…
ピョートル・ウォズニアック(Piotr Wozniak)さんの学習に研究について詳しく知りたい方は「Piotr Wozniak Spaced Repetition」などでググってみてください。
わからなかった部分の勉強をする
発表中に全てを理解するのは難しいので、わからなかった部分は発表後に自分で勉強しましょう。
わからない部分があるということは新しいことを学ぶチャンスです。そのチャンスを逃してしまってはもったいないので、発表後にはわからなかった部分に関することをググったり、関連する教科書を読んだりしましょう。
発表者を訪ねて追加で質問するのも良いと思います。
(こんなことを偉そうに書いておきながら、僕自身割と発表後の勉強はサボってしまってることが多いのですが…)
多少わからないのはしょうがないと思う
発表後だけでなく発表中もですが、多少わからないところがあるのはしょうがないと思いましょう。
そもそも研究とは「最先端のことをやるもの」なので難しくて当然です。
知り合いの研究者の方も「論文を読むとき全てを理解しているわけじゃない」「その研究をした人しか全てはわからない」みたいなことを言っていたので、研究発表や論文紹介の全てを理解できないのはしょうがないと思います。
それに、発表があんまり上手くない研究者が世の中にそれなりの数いるのも事実なので、発表がわかりづらいのはしょうがないです。
アカデミアは研究をすることがメインで研究を伝えることはサブだから発表に力を入れる人が少ないんですかね。
なんとかしてほしいところではありますが…(今度わかりやすい研究発表のやり方についてブログにまとめようと思っています。)
まとめ
というわけで今回は、研究発表の聞き方についてでした。
研究発表の聞き方は誰かが教えてくれるようなものではないので、上手に他人の話を聞けるようになるノウハウがないことが難点だなぁと思ってこの記事を書きました。
この記事が、研究発表・論文紹介などを理解できないことが多くて困っている人の参考になれば幸いです。
僕自身もまだ毎回ちゃんと人の話を理解できているわけじゃないので、また他人の発表の聞き方について何か発見があればアップデートしたいと思います。
一緒に精進していきましょう。
それでは!
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